『文藝』冬号を今更読んでいる

家に置いてあったので。綿矢りさの『夢を与える』を読んでいる最中。面白い。楳図かずおのマンガを読んでいるような印象。最後まで読んでないので、詳しい感想は後日(あげるかどうかはわからない)。
で、いま読んでいた一節、まるではてブのことを書いているみたいだったので、引用&書き換え。

夕子の書くブログは高はてブ数を記録した。注目のエントリーにいつもあがっていて、それらのブログ以外はブログじゃないとでもいう雰囲気だ。景気のいい朱色の数字ばかりが躍り、ほかは無視されるから、否応なしに数字への欲望が高まる。数字には魔力がある。夕子ははてブを見るうちに次第に自分の書いたブログのはてブ数、さらに自分がコメントを書いたブログのはてブ数までチェックするようになった。一度気にし始めるとどんどん数を大きくしたくなって、躍起になる。数字を気にしすぎると、たとえ中身がともなっていなくても数字だけ伸ばせればいいという考えになる。変なジェットコースターに乗ったまま降りられない。
下積みが長かったタグ打ちの人、インターネットが好きでたまらない人はやはり根気強いし、長年のキャリアや勉強熱心さで光るエントリーを書くから、夕子のエントリーはどう見ても負けている。

みんなブログの人気、気にしすぎ。
文藝 2007年 02月号 [雑誌]