ビルさんに会った!

悪魔のいけにえ2(完全版)
マーダー・ライド・ショー2 コレクターズ・エディション

昨年末、新宿のビデオマーケットという輸入DVD屋で小さなイベントが行われた。アメリカの俳優、ビル・モーズリーさんが来店・サイン会を行ったのだ。ビルさんと言えば、『悪魔のいけにえ2』のチョップトップで有名だ。最近では、『デビルズ・リジェクト』のオーティス役でも大人気だ。『いけにえ2』原理主義者の俺としては行かないわけにはいかない。一昨年、トビー・フーパー監督にサインをもらった『いけにえ2』のポスターを丸めて、西新宿へ向かった。
会場には、数人の知人がいて、みんな嬉しそうな顔をしている。そりゃそうだ。ビルさんは嫌な顔ひとつせず、俺らファンと一緒に写真を撮ってくれたりしているんだ。その上、ポーズをとるときに、針金のハンガーを使ってチョップトップの仕草をやってみせたり、オーティスばりに「アイ・アム・ザ・デビル!」とか言ってくれる。アメリカの俳優はコンベンションに参加したりすることが多いから、当たり前のようにこうしてファンサービスをしてくれる? わからない。ちなみに俺は、ポスターに「music is my life」と書いてもらった。


サイン会の合間に、ビルさんのトークショーというか質疑応答があって、印象に残ったいくつかを書いておこう。

  1. ビルさんは『ピンク・キャデラック』でイーストウッドと共演している。イーストウッドはオーディションをせずに、『いけにえ2』のビデオを観て、ビルさんを登用したらしい(でも、『ピンク・キャデラック』はイーストウッド監督作じゃないし、イーストウッドにキャスティング権があったの?といま思った)。この話を聞いて、ふと『ミスティック・リバー』の劇中、テレビで『ヴァンパイア 最後の聖戦』が流れていたのをふと思い出した。で、ビルさんはイーストウッドと演技しながら、心の中では、「やべえ、俺の目の前にいるのは、クリント・ファッキン・イーストウッドだぜ!」と興奮していたらしい。可愛い。
  2. モンテ・ヘルマン監督の印象を聞かれて、「ヨーロッパとか日本では評価されている監督」という一言があって、「ああ、そうなんだ」と思いつつ、同時にアメリカ国内にいてもそういう海外での評価というのは聞こえてくるのかな、とも思った。なんとなく、アメリカ人は海外の評価を気にしないような気もするから(俺の偏見)。
  3. ゴジラと電車が好きなビルさん(鉄っちゃん!)の、ゴジラ映画ベスト3。一位は『ゴジラ』(1954)。二位は『ゴジラ対メカゴジラ』(1974)。三位は『ゴジラの息子』(1967)。アメリカ版の『ゴジラ』じゃないよ、と言ってたけど、このあたり、通訳の人が素人だったので正確なことが伝わらなかった。きちんと確認して欲しかった。つまり、エメリッヒの『ゴジラ』じゃないよ、と言っていたのか、それともアメリカ編集版の『ゴジラ』じゃないよ、と言っていたのか。『ゴジラ』オリジナルがアメリカで公開されたのって、ずいぶんあとだったと思うんだけど、それをちゃんとチェックしたのかな。