『二つの塔/スペシャル・エクステンデッド・エディション』

仕事のあとに急いで行ったら、立ち見だった。真ん中の通路に座って観ようとしてたら、係員にはじっこで観ろと言われた。カチーン。もうね、口をきく気にもならなかったね。一切返事をしないで、黙って移動しましたよ。
……ごめん。大人げなかったよ。
で、『二つの塔』。モチのロンでDVDは買ったよ。でも、まだ観てない。劇場でこのバージョンを観たかったから。やっぱり小さいモニターで観るやつはにせものだね。
前回のロードショーのときと同様に、蛇の下がサルマンの新しい軍勢を目にして涙をこぼすシーンで、グッときてしまう。屈辱にまみれた敗者が、復讐の実現をひそかに確信するときの歓喜
それから、アルウェンがアラゴルンの死後にもなお生き続けなくてはならないと告げられ、悲痛な表情を浮かべる場面。
フロドとともに旅を続けることで、スメアゴルの部分を蘇らせるゴクリ。しかし、裏切られたと思い込んで、再び憎悪をかきたてるラストの悲しさ。
父親に愛されたいと願って、死んだ兄・ボロミアと同じ過ちを犯しそうになるファラミア。が、ついには、兄を超える聡明さを身につけるが、それは同時に父による死刑宣告を甘受することでもある。
そして! サムにつらぬき丸をつきたてようとするフロド……。そのことに激しく後悔するフロドと、それを許し、哀れに思うサム。
誰もが「よい世界」を求めようと、それぞれの仕方で旅を続け、傷つかざるを得ない。