日光の温泉に行ってきたよ

湯の湖のそばの日光グランドホテルに安く泊まれることになったので、日曜日から一泊二日で行ってきた。
夜、露天風呂に入ってたらなにか動く気配がする。「出歯亀?」とドキドキしたが、亀ではなくて鹿だった。野良鹿。いや、野生の鹿。風呂の目の前には林が広がっていて、その木陰に6頭の鹿が下草を食みながら見え隠れしている。
怖がらせちゃなんねえ、とじっとしてたらのぼせそうになったので、そっとあがったけど、やつら気づかなかったな。それとも人間に慣れてるのか。
都会育ちの俺は野生動物を見るだけで、ドキドキと興奮してしまうので、屋内の温泉に戻ってからも鹿を観察し続けていた。たまたまその時間には風呂場に俺一人だったのでよかったが、かなり怪しい感じだったと思う。裸で窓にへばりついていたのだから。
で、セカンドインパクトですよ!
こんどはタヌキ降臨! 鹿とタヌキの絶妙なブレンドに興奮しっぱなし。
でも、もしかしたらホテルが用意したレビューショーだったのかもしれない。
翌日は、日光東照宮に行き、流鏑馬を見てきた。かっこいいなぁ。子どもの頃、近所の井草八幡宮で見たことあるけど、オトナになってから見てもやっぱりその迫力に大興奮。月曜日ということもあって、それなりに混雑はしてたけど、結構余裕をもって見ることが出来た。
ところで。
いま日光東照宮では、400年間秘仏だったという仏像が初開帳されていて、クラップのマスターともその話題で盛り上がっていた。テレビでもコマーシャルをやっていた。が、今回の旅行は思いがけないものだったので、東照宮に行くまでそのことを忘れていた。現地に行ったらポスターがあって、それで思い出した次第。
そのポスターがまたしゃれてるんだ。逆光で影になった仏像を中心にして、背景には雷光がビカビカととどろいている。そしてでっかく「初開帳」とある。もうなんだかすごいことが起きてる感でむせかえるようなポスターだ。これは期待できる!
そして、ご開帳!!!! 我々はついにそのお姿を目撃することになった!!!!
が、3m先のガラスケースの中に鎮座ましましていたのは……高さ3cmの仏像でございました。
子どもの頃、上野動物園にパンダが来たときの興奮、あるいは多摩動物園にコアラが来たときの熱狂……それらがふと俺の脳裏に去来した。興奮と熱狂、そしてそのあとに訪れる虚脱感。
いやいや、東照宮、よかったよ〜。金ぴかの龍やら獅子やら、なんというか成金……もといゴージャス感が山全体を覆いつくしていて、俺も死んだらこんなとこに眠りたいと思いました。そして死んだあとにも金のことは忘れない。普段運動不足の身にはなんともきつい階段をのぼりつめたはてにも、やはりお土産ものを売っているコーナーがあり、そのどれもが「ありがたい」感を売りにしている。「災いのない人生を送りたければ、これを買っていきなさい」という、半ば脅迫じみた売り文句にクラクラしてしまう。まあ、寺社グッズとはあまねくそういうものだが。つまり地獄の沙汰も金次第ということ(オヤジ的まとめ)。
さて、今回の旅行で一つ気になったことがあった。
それは、往復の東武日光線の中でのこと。旅行のともとして本を携帯するというのはわかるのだが、三人の男性(それぞれに関係はない)が小林よしのりの本を読んでいたのだ。世間ではそれほど流行っているのか? それとも北関東特有の現象なのか? 俺はなんとなく「イタイ」本として認識している(偏見)ので、奇妙に映ったわけだが……。