『スターシップ・トゥルーパーズ2』@銀座シネパトス1

案の定、劇場には男しかいなかった。


作り手たちが意識しているかはわからないが、妙な欲望が映画を捻じ曲げ、そして観客に素敵な困惑を与えることがある。
キャラクターはステレオタイプで行こう、というのはわかる。要はバグやら殺戮やらがメインの映画なんだから、どうでもいいところで観客にわかりにくさを提供しないようにしよう、ということだよね。
で、例えば、「粗暴な女」がいる。が、その「粗暴」の程度がゆき過ぎてしまって、もはやステレオタイプではなくなってしまう。
と、言ってもわからんよな。
えーと、今回のバグの特徴は、『ボディ・スナッチャー』『ヒドゥン』タイプです。ハインラインつながりで言えば、『人形つかい』か。
で、登場人物の一人が、バグにとりつかれた人間を殺す場面があるんだけど、首チョンパするわけですよ。で、その首をレンジに入れて、チンするのです。
そこがね、なんというか、80年代の香りがするんだよな。
そのキャラクターの必然ではなくて、「こんな特殊技術があるから、やってみようよ」という欲望。
そのとき、映画は妙なグルーヴを獲得する、と言ったら言い過ぎ? でも、結果としてステレオタイプですらなくなるんだよな。狂人がそこにいる。


オススメ。