ランボーについて思い出すことなど

学生のとき、学生会館のラウンジで文庫本を読んでいた。
1年生のときだよ。
そこへ、仏文の先輩(女子)が来た。ショートカットの可愛らしい先輩だった。
先輩「なに読んでるの?」
俺「いや、まあ……」
と、ちょっと照れる俺。
大体、人目につくような場所で、本を読んでいるというポーズがそもそも自意識過剰な童貞のすることだろ?
いや、それから数ヵ月後に童貞を捨てるわけだが。
自意識の無限回廊を0.000001秒で蒸着した俺は、ようやく質問に答えた。
俺「『地獄の季節』っす」
どうよ? どう? 文学青年? ナイーブ? センシティブ? 暗い? 色白? それともバンカラ? デカンショ節って歌える?
先輩「へえ、怖そうなタイトルだね」
俺「……まぁ、それなりに」


ふぅん。
だってさ、アルチュール・ランボー