監視の目を内面化させようとする動きがある。市民がお互いを監視し、それを権力者にタレコミする。タレコミされた側には、反論の余地はない。なぜなら、「あなたは他の市民に不快感を与えたからだ」。
こんなのはおかしいと思う市民たちは別の土地へ移動する。
だが、多くの市民は「無料で住まわせてもらっているのだから」とあきらめ顔でこの土地にとどまり、人の目を気にしながら、できるかぎり他人にとって自分が人畜無害であるようにと願うようになる。
積極的に管理されようとする人々の群れ。


横暴な権力者のほうが、まだ暴力の根拠がはっきりしていて健康的なのではないかと疑ってしまう。