『宇宙戦争』

どうしてこんなに残酷なのか? 監督がスピルバーグ……あ、そうか! これは、『E.T.』の続編なんだ! と飲み屋で膝を打った俺。前作で心優しい宇宙人は、別れ際に、仲良くなった少女に「Be good(いい子になってね)」と言い残した。しかし、それから数年の後、その少女がどうなったのかは、世間には羞恥 周知の事実。ビッチになりやがった! いや、まあ、人間である俺らには、それはそれでいい話なんだけど、単純な性善説にもとづいていた宇宙人は激怒! 糞! 人間なんて約束まもらねえクズのような連中だ。絶滅させてしまえ! まあ、あるいは、昔片思いだったクラスメイトと十年ぶりに再会したら下品なババアになっていたショックと似ているかもしれない。自棄酒飲んで暴れてやる!みたいな。
それにしても、宇宙人、体弱すぎ。虚弱体質。そこもまた『E.T.』のころと変わらない。やっぱね、スピルバーグの世界観では、宇宙人はジョックスじゃなくて、ナーズなんだね。オタクはさ、根がロマンチックだから、「可愛い女の子は、いい子であって欲しい」って願うんだよね。で、それが裏切られると、「だから現実は嫌なんだ! 二次元最高!」とかキレるんだ。そういうルサンチマンは、こういうふうにエンターテイメント作品として昇華するといいんだよ。