震えた!

ノロイ』を観てきたよ@新宿グランドオデオン。
まっとうな探偵映画を観ているようだった。ただ少し頭がおかしいんだけどね。まあ、主人公が心霊ライターという設定なので、彼が「呪い」をはなから信じて疑わないのは問題ない。が、しかし、彼を信じて家に泊まりに来るアイドル、というのはどうなんだろう? う〜ん。事務所の後輩が自殺して、自分の部屋にいたくないっていうんだったら、社長とか友だちの家じゃないかなぁ……。と、そのあたりから、「ドキュメンタリー」という世界観が微妙に歪み始める。
でも! そこがこの映画のいいところだと思う。なにも起こらずに「ドキュメンタリータッチ」という雰囲気だけでオッケーとするのではなく、「本当にそれは起きたんだ!」と出来事で見せようとして、形式が崩れるのは面白い。意気込みを感じる。そして、ラスト、それは起きた。ワンカットで見せる人体炎上は、なかなかに見応えがあった。


ところで、途中、アイドル役の子が、突然絶叫して失神する場面があるんだけど……


震える舌』を初めて劇場で観たよ@東劇。
子どもの頃、テレビで観て以来、自分の中では最恐の映画の一つだった。子どもが絶叫し、痙攣を起こす場面のおぞましさ! う〜ん、『ノロイ』のアイドル絶叫場面は絶対にこれを参照していると思うね。
この絶叫が怖いのはなんでだろう? 絶叫している子どもそのものが、恐怖の対象なんだよね。子どもは、なにかに対してのリアクションとして叫んでいるんではなく、理不尽に叫ぶ。まるで、その子どもが、なにか人間ならざる存在になってしまったかのようだ。『宇宙戦争』のトライポッドが吠えているのと近い。とにかく不快感を劇場に蔓延させる。素晴らしい。
だからこそ、ラスト、あの子が「チョコパン欲しい」と言葉を発したとき、「ああ、この子も実は人間だったんだな」と感動するんだよな。


が! 帰り際、前を歩いていた二十代前半と思しき女性たちは、「後半の痙攣シーンとか、笑っちゃった」とあっけらかんと話していた。ぎゃふん!