音源はない

ないことはない。
かつて、デビューアルバムと称して、虫博士ソロカセットを作ったことがある。タイトルは『虫博士 is dead』。デビュー時に死んでいる。12分テープにみっちり吹き込んだ。ラジカセにマイクを突っ込んで、マイクのそばにカシオトーンを近づけて歌った。そのテープを作ったのが23歳のとき。こないだのライヴのあと、佐々木敦さんにその話をしたら、「え、虫博士って20代になってからなの?」とあきれられてしまった。すみません。で、それを聞いた宇波拓が面白がって、一緒にライヴをやろうと言って、新宿のシアタープーでやったのがデビューかな。そのとき、会場でテープを売っていたら、物好きな人たちが買っていった。その中になぜか評論家の平井玄さんがいて、のちに人づてに聞いたところによると、俺のことを「都会育ちの三上寛」と評していたらしい。
そのテープの音源は、宇波がデジタル化して保存しているはずだと思う。
でもそれはソロなので、あのバンドのようなノリはない。
そして、そのソロライヴののちに、ひょんなことで知り合ったメンバーたちと結成したのが、インセクト・タブーというバンド。キャッチコピーは「才能のポトラッチ」。まあ、その話はいいか。
下の写真は、『虫博士 is dead』のジャケ写。
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