『天才ファミリー・カンパニー』

これまでのつけがたまって、昨日から徹夜で仕事を片付け、そのご褒美として3巻と4巻を買っちまった。
正直、『のだめ』や『GREEN』ほどにははまりそうにない。まあまあ面白い。きっとこれって二ノ宮知子が「ストーリーテラー」というよりは「キャラクター作家」だからなんだろうと思う。『のだめ』の6巻あたりが微妙に失速気味に感じたのも、キャラクター的演出が行き詰まったときに、新しい設定を加えて乗り切ってしまえ!的なところがあったからだろう。
たしかに『天才ファミリー・カンパニー』にはユニークなキャラクターが登場するのだが、そのユニークさの演出として、「実は〜だった」というストーリーに大きく関わるキャラクター造形をしていて、しかし結局説明のためにストーリーを複雑にしているという過ちを犯している気がしてならない。
ま、これは現代マンガがおおむねはらんでいる問題のひとつであるとは思うのだが。
とにかく、二ノ宮知子ストーリーテラーとして致命的に弱いのは、そのエピソードに関わらない他の主要登場人物たちをまるっきり忘れてしまうという点であると、ほろ酔い加減の俺は思うのであった。