『着信アリ』

「自分の携帯に、自分の携帯から電話がかかってくる」という初期設定が、難しい。それ聞いても、「?」と思うでしょ。「それってどういうこと?」って。ホラー映画で重要なのは、死へといたる仕組み、だと思うんだけど、加えて映画で重要なのは、単純であること、でしょ。「かかってくるはずのない自分の携帯から電話がかかってくると死ぬ」っていうのは、「ビデオを見たら死ぬ」に比べたら、やっぱり複雑だ。ルールが、すっと頭に入ってこないもん。
そのうえ『着信アリ』は、死についての映画、ではなく、死に方のバリエーションについての映画、なのでした。