『ラヴ・アクチュアリー』

いくつかのショート・スケッチのパッチワークのような映画。そのどれもがおとぎ話。甘いものもあるし、苦いものもある。でも、恋をしている人間は、どこか浮世離れをしてしまうから、現実がおとぎ話のようになってしまう。素面のときにはできないようなバカなことでも平気でやってしまう。そういうわけで、きっと観ている人は、どのエピソードにも心当たりを見つけて、苦笑いしてしまう。
バカな老若男女の振る舞いが、いとおしく感じられる。そこに希望を感じることができる(いや、感じちゃいけないのかもしれないけど。まあ、こんな映画を観た直後にはいいんじゃないか?)。それがきっと狙いなんじゃないかな。なによりもクライマックスのエピソードが、少年が初恋を成就するために犯罪行為をする話だからな。ん……考えてみたら、9.11以降にあのエピソードは……。
ま、能天気な映画です。