『ザ・ブルード 怒りのメタファー』

DVDで。やっぱ、この頃のクローネンバーグって面白いわ。邦題には、「メタファー」とかあるけど、映画を観れば具体だもん。発想は単純で、「怒り」という感情そのものが肉体化して人間を襲う、ただそれだけ。象徴的ななにかがでてきて、謎かけのように放り出されて、「作者はこれによって××を表現して」云々というたわごとをうけつけない具体の力強さ、単純さがある。
子どもに不気味なお面をつけて、普通に歩かせるだけで、どうしてあんなに怖いのか? 最近の日本のホラーにおける幽霊表現とは違った工夫の仕方だ。
ところで、クローネンバーグの映画って、みんな冬空ばかり映っている気がする。