こんな死に方をしてみたい

説明するのが難しいんだけど説明してみるよ。


サバンナの真ん中。
俺を食い殺そうとしているライオンが、100メートル離れたところにいる。
俺の前方100メートルの場所には、車が停まっている。
俺が10秒で車にたどりつければ、ライオンに食われることはない。
……という条件。


どう考えたって、食われるに決まっている。
が、俺はヒトという種の可能性を信じて、走るしかない。
でもたぶん、俺という個人は、ヒトの可能性のすべてを実現できるわけではない。


全力を尽くして、自分の無能さに絶望しながら、ライオンに噛み殺される。
そんな場面を想像してウットリしてしまうのは、いつか五輪に出てみたいから。