ちょっといい話

今日、というか0時を過ぎたので昨日ですが、誕生日でした。こんなことを書くのは、もちろんみんなのリアクションが欲しいからです。いやらしいですか。そうですね。でも自分のことを書くのは大好きなので、書き直しません。
一日、打ち合わせだった。映画でも観に行こうと思ってたのに、8時過ぎまで打ち合わせだったので、それもかなわず。上司が、俺が誕生日だと知ると、「じゃあ、おごってやるよ」と言ってくれて、桜鍋をごちになった。


と・こ・ろ・で!
今日聞いた、ちょっといい話。


阿佐ヶ谷にかつて、「熊ちゃん食堂」という定食屋があったそうだ。そこの常連だったというIさんによる、「熊ちゃん食堂」崩壊のエピソード。


「熊ちゃん食堂」の二階は雀荘だった。その雀荘の常連にオオモリさんという人がいた。オオモリさんは、たちの悪い客で、やっぱり常連だったヤクザと何度か揉め事を起こしていたらしい。
で、ある日のこと。
「熊ちゃん食堂」にヤクザの人たちが来た。「オオモリは来てないか?」とヤクザの方々。オオモリさんは、この定食屋の常連で、それを知ったヤクザの方々はここで張り込みをすることにしたらしい。マスターは、「今日はいらっしゃいませんね」と答えたが、ヤクザの方々は「待たせてもらうぞ」と居座ったそうだ。
ヤクザの方々は、「おい、オオモリ、まだ来ないのか?」とマスターに絡みつつ、店内に居座っていた。


ここで、このマスターについて一言触れなくてはいけない。俺も直接知っているわけではなく、Iさんづてに聞いただけなので、正確に表現できないが、どうもこのマスターは、「とぼけた人」だったらしい。注文を聞いても、順番を平気で間違えて、「ああ、ごめんごめん」と言いながら慌てて作る、というような人だったそうだ。


で、ヤクザの方々の話に戻る。
手持ち無沙汰に座るヤクザの方々。チャーハンを注文したそうだ。
マスター、チャーハン作ったよ。
チャーハンを待つ間にも、ヤクザの方々は、「オオモリは来ないのか?」と大声を出していた。
やがて、できあがったチャーハンをヤクザの方々の前に出すマスター。
「はい、お待たせ。大盛りチャーハン」
「あ? 大盛りなんて頼んでないよ」
「いや、大盛りって……」
……おおもりって……オオモリって……


数日後。
Iさんが「熊ちゃん食堂」に行くと、店内はすごいことになっていて、でもマスターはいつもの飄々とした感じで、そのエピソードを常連客に語っていたそうだ。
「お前、なめとんのか」とヤクザの方々は暴れたそうだ。そのせいで、店は一週間営業を休まざるをえず、なんとか再開したものの、それからしばらくして閉店してしまったそうだ。