23日は西荻で、今日は三軒茶屋で

23日。
櫻井郁也/十字舎房 新作ダンス公演 『カナリゼーション <祈りの河>』@WENZスタジオ
高校時代に「山海予備校」で踊っていた俺だが、実際のダンスを観るのは初めて。なんだそりゃ。ずいぶん前に、伊藤キムさんと一緒の舞台に立ったことがあって、その練習のときに間近でダンサーの動きを見る機会があったのだけど、それはそれは素晴らしかった。
櫻井郁也さんという方を、俺は今回初めて知ったのだけれど、やはり衝撃を受けてしまった。人間の肉体は、一個の統一されたものであるだけでなく、無数の自律したパーツとしても機能するんだ、ということを見せられたような気分だった。爪先にあったエネルギーが、気づけば指先に移り、その仕組みがさっぱりわからない。約2時間、まったく飽きることがなかった。


今日。
大人計画イケニエの人』@世田谷パブリックシアター
以前、同じ劇場で『エレファント・バニッシュ』を観たが、この劇場は奥行きよりも高さのある舞台だから、同じように高さを生かした舞台装置が目についた。あたかも『メトロポリス』の地底工場のようだ。舞台の両翼にそびえる壁にも歯車があるし、関係はあったのか?
ホテルドライブイン・カリフォルニア』のときにも感じたが、お客さん、笑いすぎ。ちょっとくすぐる程度のことでも爆笑するのはどうなのか。
あと、俺のとなりのヤンキー風のカップル客も、芝居の最中にいちゃつくのはやめれ。
芝居の中身は……荒川良々はいいな。安部サダヲも好感が持てる。クドカンも悪くない。スターがたくさんいる劇団というのは、それだけで2時間安心して楽しめるね。中身について疑問を特に抱くこともなく、すんなり観れた。が、それが問題な気もする。閉鎖空間で明らかにされる人々の過去、そしてからまりあう業、その渦に巻き込まれたいなぁ、と期待しながら観ていたが、最後まで、ぼんやりと傍観者でいられた。
なんだか、妙に長いイントロを見せられたような、そんな気分で拍手をしていた。