高校時代には絶対に戻りたくない。という友人Sの意見に俺も大賛成。人生における暗黒時代。夏休みともなると、誰とも口をきかない日々が続く(友だちがいないから)。深夜ラジオで笑うときだけが声を出す時間。
しかし、あの頃もしも、人生が差し出す「楽しい青春時代」という融資を受け取っていたら、その返済のためにいまごろ暗黒の30代を送っていたことだろう、と「あのブドウはすっぱいに決まっている」式の正当化をする西荻の夜。