思い出した

こないだ、吉祥寺でふぐを食ったのさ。
そのとき、隣のテーブルの家族が気になって仕方がなかった。
おばあちゃん、お父さん、娘。そんなトリオ編成のテーブル。娘は、そうね。小学6年生か中学1年生。
お父さんは、しきりに店員の女の子の名札を見て、名前で呼んでからかってみたりして、すっかりキャバクラ感覚。
おばあちゃんは、孫に自分のことを下の名前で呼ばせている。
そして、小娘は、「将来の夢は、パリに留学してファッションデザイナーになる」だの、「スティーヴィー・ワンダーみたいな昔の人も最近流行ってるでしょ」だの、「ああいう女の人、キャバクラにいそう」だの……面白いことを口走るおしゃまな女の子だった。


その光景に、現代日本の縮図が見えたかって?
いや、別に。
思い出したから、書いただけ。
昨日のあの人の名前を思い出したわけではない。