『メゾン・ド・ヒミコ』と『惑星大怪獣ネガドン』を観た

あ、順番が逆か。『ネガドン』をテアトル池袋で観て、その後新宿へとって返して『ヒミコ』を武蔵野館で観た。


ネガドン』はね、やっぱりドリルが最強の武器であることを証明しているところが素晴らしいと思ったよ。漢ならやっぱりドリル。パーティ会場で渡されたボール紙の三角帽子は腕にはめてドリル気取り。それで気に食わない奴の尻をえぐる!えぐる!えぐる! そんな少年たちの昭和魂(貧乏特撮感覚?)を刺激する映画だった。
ところで、この映画って、特撮映画に捧げられてるんだよね。でも、巨大ロボットに乗り込む設定とか、ネガドンを宇宙空間で爆発させるラストとか、(昭和の)テレビアニメを想起させてたなぁ。


『ヒミコ』は、なによりも、ダンスホールの場面でのオダギリジョー柴崎コウの視線のやりとりに尽きる。俺はあのやりとりを観れただけで、満足。「どうだい、俺に惚れただろ?」「思い上がるのもいい加減にしたら?」というような、無言の会話が、濃厚に映画館に漂ってきた。ああいう表情を「しろ」と命じることは、できない。一体、どんな演出が現場でされたのだろう? 切り返しのカット割だったけれど、二人とも、「観客に自分がどう見えるか」ではなく、「(役としての)相手の気持ちをどう動かすか」というキャラクターの欲望に従って演じている。
他の場面がどんなに作り物めいていても、あの表情は「真実」だった。