最近観た映画のことなどつらつらと書くよ

エリ・エリ・レマ・サバクタニ』はテアトル新宿で観た。
陳腐なものと、荘厳なものが、なんの連絡もなしに共存しているような映画だった。陳腐なものは、物語そのものだったり、金持ちのわがままな孫娘という設定だったり、探偵がかぶっている帽子だったり……色々とある。で、すごいな、と思うのは、それらの陳腐なものを、陳腐なまま、放り出しているってこと。陳腐なものはなるべく洗練させようなんていう小市民的な発想は、ここにはない。陳腐さは、どこまでいっても陳腐であり、そして、荘厳なものはただあるがままに荘厳だ。
じゃあ、荘厳なものってなんだろう? たとえば、風景、ではない。ある風景がフィルムにいやおうなく刻み込んでしまうもの、だ。
んー……たとえばね。救急車にキャメラが併走して撮っているカットがある。平行して走る道路を利用しているんだね。と、その二本の道がだんだんと離れて、つまり、画面の上では救急車が遠ざかる。
……それのどこが荘厳なのか? 書いてる俺もあきれちゃう。だけど、それをスクリーンで観たときには、その風景が、土地が、そういう動きをフィルムに与えたんだなぁ、と、ただそれだけで感動してしまったんだ。
劇中、浅野忠信が、壊れた扇風機とホースを組み合わせて楽器を作る場面がある。あそこにも、同じ発想があると思う。あらかじめ計画を立ててそういう楽器を作ろうとするんじゃなくて、扇風機を眺めていたら「その中」に楽器が含まれているのを、不意に発見してしまう。
エリ・エリ・レマ・サバクタニ』っていうのは、そういうふうに、色んな風景の中に立ってみたときに、見えてきた映画を淡々と記録した映画なんじゃないかな。
そうそう。中原昌也を見つめたときに見えてきた映画も、同じように発見したんだと思う。
びっくりするほど、作為という自意識と離れた映画だと、俺は感じたよ。


ブリジット・ジョーンズの日記』は、DVDで観た。
「他の国では法律で禁止されてるけど、イギリスでは禁止されていない性的な行為」ってなに? 俺は、アナルセックスなのかなぁ、とか思ってたんだけど、識者の判断を待っています。あ、だけどさ、日本の風俗では、「AF」なんて略されて、合法とされているじゃない? つまり、あのセリフのとき前提にされていたのが、日本だとすると、本番行為=ペニスとヴァギナによるセックスのことを語っていたのかな???? そうか、だとすると、あの場面で、ヒュー・グラントレニー・ゼルウィガーを風俗嬢に見立てていて、「君との関係は遊びなんだよ」てほのめかしていたのか!
などと、どうでもいい感想しか浮かばないのは、劇場で観てないからだよ、きっと。