西荻は日本のパリではなくて

パリがフランスの西荻なんだと思う今日この頃ですが、クーラーのない生活はきついですね。セーヌ川a.k.a.善福寺川)沿いを散歩しながら考え事ばかりしているよ。
なにを考えてるかって?
新しい小説のこと。次号の「習慣プレイボウイ」に掲載する予定の、『半島は出たけれど』っていうタイトル。千葉島の生活に不満を持った自衛隊員が、テロリストとして東京ドームを占拠するんだけど、その要求が「野球中継でドラマの時間をずらすな」とか「ビートルズを再結成しろ」とか、なんだかパッとしないものばかり。
というところまではすでに執筆していて、このあとの展開なんだけど……。
一応、ノートにはこんな感じでメモしている。

    1. テロリストの息子がいる。
    2. 息子はお父さんを尊敬している。
    3. お父さんが、説得に来た村上龍にペコペコしているのを見て、息子がっかり。
    4. 息子、家出。
    5. ラスト。なにかないか? 派手に。千葉島、飛ぶ?



で、いい案も出ないし、セーヌ川沿いも暑いので、熱射病予防に高架下を歩いていたら、こんな張り紙が……。
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『泣いた駐車場』っていう童話を思い出したよ。以下あらすじ。

あるところに、駐車場が住んでいました。
名前はツキギメ。でも、村の子どもたちには「ゲッキョク」と呼ばれている。
今日もゲッキョクの中で子どもたちが遊んでいる。
ゲッキョクは子どもが大好き。
だけど、ゲッキョクに止めてあった車の下に隠れていた子どもが轢かれて死んでしまった。
村人たちは、ゲッキョクに向かって、「村を出て行け」と言う。
心ない村人たちがゲッキョクの体に、スプレーで「無裸美徒参上」などと落書きをする。
そこに村長登場。
「村から追い出すことはない」と言う。
優しい村長……と思いきや、「ここを芋畑にすればいいじゃんなー」などと言い出した。
耕される駐車場。
泣く駐車場。
そこに友だちのアオゾラチュウシャが登場。
「俺が嫌われ者になるから、そこでお前が登場しろ」とアオゾラチュウシャ。
村人たちの家の前を占拠するアオゾラチュウシャ。
村人は迷惑に思い、「車はやっぱり駐車場に止めて欲しいなぁ」と思い、ゲッキョクは村から追い出されずにすみました。
でも友だちのアオゾラチュウシャがいなくなったので、ゲッキョクは泣いてしまいました。