ちょ、ちょ、俺、冷静じゃないぜ

酔っ払ってのエントリーだし、もともと映画が終わった瞬間から冷静じゃないから、許してくれ。でも、今夜書かないといけないんだ。
俺、今日、夕方17:10から六本木ヒルズで『グラインドハウス』を観たんだ。
二本目の『デスプルーフ』、半端ない傑作だった。でも、でも、これだけを観ても駄目だ。昔、映画館で一日過ごして、ドヨーンとした気持ちになることがよくあったけど、その最後の時間に奇跡に出会う感じ。
ああ……そんなこと言いたいんじゃない。
例えば。
昔、東京ファンタスティック映画祭で『オペラ座 血の喝采』(@渋谷パンテオン)を観たとき。突然ロビーでアルジェントのサイン会が始まったこと。
例えば。
昔、一回だけあったファンタゾーンというイベント(@シネマミラノ)で、ヘネンロッターのサイン会が急遽ロビーで始まったこと。
あるいは。
14歳のときに出会ってしまった『悪魔のいけにえ2』(@新宿アカデミー)の監督トビー・フーパーと、20年後の夕張でついに対面できたこと。
それらと同じくらい、今日、『グラインドハウス』を観たことは俺にとって大きな出来事だった。
きっと、10年後、20年後、どこかの飲み屋で「俺、あのとき六本木にいたよ」と言う誰かと「再会」すると思う。今日、俺は一人で映画館に行った。
でも一人じゃなかった。
映画館で(ビデオでもなく、試写会でもなく、映画館で)映画を観ることって、これぐらい凄いんだ。そう思った。
俺、本当に、映画が好きでよかった。
ラストカット、俺も無心に手を叩いていた。作者に向けて、とかじゃない。体が自然に動いちゃう映画だったんだ。そして、それは俺一人に起きたことじゃなかった。
そのことを、本当に本当のことだって知って欲しいんだ。
だから、今夜のうちにこのエントリーをあげなくちゃいけない。
頼む。あなたがもしも東京近郊に住んでいるんだったら、明日で終わってしまうUSA版の『グラインドハウス』を観に、六本木ヒルズに駆けつけて欲しい。
もしも映画そのものがあなたの趣味に合わないとしても、観るという経験をすることで、俺とあなたは縁で結ばれるはずだから。明後日かも知れないし、10年後かも知れないけど、絶対に会うはずだ。
映画ファンでいることってこういうことなんだと思う。