窓の外はすでに明るい

もう徹夜なんてやだ。どうしてこんな苦しい思いをしなくてはならないのか。もっと効率よくアイディアを得る方法はないのか。
しかし、これは遅れてきた俺の修行時代なのかもしれない。頭でいくら考えたって、いい話が浮かぶはずがない。語るか書くかしなきゃ駄目だ。で、俺はいま書く機会をたくさん与えられてるんだ。そうだ、実践の中にしか修行の道はないんだ。
こうやって俺は自分のロールモデルを修行僧と考えることで、苦しい状況を乗り切ろうする。だが、その10分後には、放蕩タイプの作家を思い浮かべて、「やっぱり快楽を否定してたら一流にはなれないよ。締め切り? やぶってなんぼだろ!」などと自分にとって一番楽な道を無理にでも肯定しようとする。