『エレファント・バニッシュ』@世田谷パブリックシアター

これ観たの、先週だっけ? 先先週?
ハプニングが起きて開演が遅れるというアナウンスから始まるという演出。
全編、役者の身体が演出のもとに完全に統御されているという印象。
舞台上にはいくつものモニターが並び、そこには、役者が手にしているビデオカメラで撮られた現在進行の映像が流されている……と思わせといて、映像に映し出された役者の動作と、舞台上でのリアルな役者の動作が乖離したとき、ふと目眩を感じる。それまで俺が観ていたのが、過去の映像を模した役者の動作だったのか、それとも気づかないうちに映像が過去のものにすりかわっていたのか。
だから、役者の動作から、あるキャラクターの内面という奥行きが感じられることはなく、日常の機械的な反復だけが印象づけられる。
とはいえ、反復は次第にずれを含んでいき、そこに「反省」を含んでいく。