『ヴィタール』@K's cinema

nishiogikucho2005-01-21

恐ろしい映画だった。死んだ恋人を解剖する浅野忠信。いつかトリップしている。内臓をスケッチしながら、「あっちの世界」で恋人と再会する。何度目かの再会で、口にするセリフ。「こっちで子ども作ればいいんだ」。なんだそれ!! すげえ。そんなの聞いたことないよ。きっとこのあと、解剖している死体の中から、昨日まではなかった胎児を見つけ、実習生たちが恐怖するんだ、「教授、これは……」「……地獄だ」とかなんとか、……と妄想してしまった。「彼は、踏み越えてはいけない一線を超えてしまった」「彼が気づく前にあの胎児を殺してしまおう」……そして病院は火事になる。炎に飛び込む浅野忠信。まるで地獄の業火だ。そこで見た光景とは!
次回、父の無念の死を晴らそうと、怪物と化した浅野忠信の子どもが立ち上がる! 「地獄小僧誕生の巻」を待て!


ところでこの映画を観ながら、タモリがミュージカルを評して、「突然踊り出したりするのがついていけない」と言っているのが思い出され、共感してしまった。素面のときに、酔っ払いのテンションについていけない、みたいな。
俺自身はミュージカルは好きなんだけど、じゃあ、この違和感というか気恥ずかしさはなんなんだろう?
一つ思ったのは、激しく躍動する肉体をとらえるのに、キャメラまで一緒に動きまくっては、運動が相殺されてしまうじゃないか、ということ。