『キング・コング』@新宿プラザ

やっぱあそこだよな。Ⅴレックスとの壮絶な死闘のあと、ナオミ・ワッツにわざと背を向けるところ。「別に俺、お前のためにやったわけじゃないから」、というそぶりを見せつつ、「すごくね? 俺? お前救うためにここまでやったんだぜ?」と背中でダブルミーニング。最高! いまどきこんなストレートな番長映画ないでしょ? キング・コングってばバンカラなんだから! 竹を食うところもさ、あれ、番長だから。なんか昔の番長って、長い楊枝みたいのくわえてるっしょ? なにあれ? 知らんけど。


今年のベスト1は『宇宙戦争』だと思ってたけど、『キング・コング』だな。


ところで、土人だ。土人の場面が気になって仕方がなかった。別にポリティカル・コレクトネスなんてどうでもいい。土人のセリフよ。字幕では、「トレ・コング」とかいうセリフだけ、表記されてたけど、他にも色々口にしてるよね? で、絶対現場で、土人役の人に聞かれたと思うんだ、ピーター・ジャクソンが。
「あの、監督。ここ、何語で喋ればいいんですかね?
なんて答えたのかな? 
メインの人だけじゃないよね。後ろで叫んでる人もいる。撮影中は英語で叫んで、あとでオンリーかアフレコで差し替えたのかも知れないけど、それでもやっぱり「じゃあ、どう差し替える?」なんて聞かれるよね?


……と、一瞬思ったけど、絶対そこだけエルフ語の台本があったと思うんだよね。エルフも西洋の土人でしょ? あいつらが中つ国を船で出発して、辿り着いたのがスカル・アイランドだったってわけ。だから、ちょっと聞いただけだとエルフ語には聞こえないかもしれないけど、膨大な時間の流れの中で言葉が変化していったと考えれば不思議はない。
というわけで、土人役の人たちは、『ロード・オブ・ザ・リング』を観直して、エルフ語を学んだに決まっている。