ところで『オリバー・ツイスト』で寝た

なんだかチャッチャカチャッチャカ進む映画だなぁ、と思いながら観ていたのだが、クライマックス直前、オリバーが恩人の家に強盗に入らなくてはいけなくなるあたりで、猛烈に睡魔が襲ってきて、目ざめたときには、オリバーが刑務所のようなところで涙を流しながら泥棒の親分に語りかけていた。あれ、なにが起きたの?と慌てふためくも、ときすでに遅し、容赦なくエンドクレジットが流れてきた。
ただね。映画のよしあしの判断はさ、物語に依存しないんだよ。昔はさ、上映の途中で映画館に入って楽しむっていうことだってあったじゃない? それなのに最近は、完全入れ替えとか指定席とか、まったく映画の楽しみ方がわかってない映画館ばっかりだよ!
と、逆ギレしながら、思い返すのは、オリバーがなにかというと倒れる、という演出についてなのです。腹が減っては倒れ、万引き犯と間違われて殴られて倒れ、判事の前では発熱して倒れ、そのたびに誰かにどこかに連れて行かれる。映画の主人公としては一体どういうことなのだろう。自らの意思で状況を切り開くというより、運命の手に自らをゆだねるために五体倒地をしているようだと、俺は思ったわけだが、あなたのハートにはなにが残りましたか?