などと言いつつ

昨日もユーロスペースに行ってきたんだけど、声を大にして言いたい。
ロバート・アルトマン監督の『イメージズ』と黒沢清監督作品の二本立てを企画しろ!
幽霊が出て来るんだよ。まあ、別に幽霊が出るからって、それだけで騒いだりしない。主人公が幽霊を殴る。血が出る。猟銃で撃つ。血が出て、胸がえぐれる。なんだこれ?
幽霊のほうは、「おいおい、俺は幽霊だぜ」と余裕をぶっこいているんだけど、主人公のほうは「幽霊? だからなんだってのよ」とお構いになしに暴力を振るう。幽霊が相手だから、遠慮なし。躊躇いがない。その呼吸が素晴らしい。ああ、でも、この幽霊に対する遠慮のなさについては、丸尾末広のマンガで描かれていたことがあったな(タイトルは失念。愛人と共謀して旦那を殺す話。旦那が幽霊になるけど、それを足蹴にする女)。
幽霊が撃たれて血が出るという描写については、映画の後半での事件の描写およびそれに対する主人公のリアクションに対する伏線になっている。だからこれはもしかしたら「(観客を欺く・驚かす)テクニック」の問題かも知れない。黒沢清監督の興味は「幽霊の存在論」だと理解されているから、話は別なのか? でも、「幽霊ってなんだ」と問うことは、同時に「人はどのように幽霊と向き合うか」という問いでもあると思う。だとすると、『イメージズ』での、主人公の「幽霊に対する態度」および「人間に対する態度」は黒沢清作品につながるんじゃないのかな。単なるテクニックの問題じゃなくて。このへんは、『CURE』なんだよな。
『イメージズ』と『回路』、『イメージズ』と『降霊』、『イメージズ』と『CURE』、『イメージズ』と『蜘蛛の瞳』、そんな二本立てがあったらと想像するとワクワクしてしまう。
昨日の場内放送では、8月2日(木)21:00からの『イメージズ』のチケットはまだ残っていると言っていたよ。