怖い顔の人たち

こないだ『ジェシー・ジェイムズの暗殺』を観て感銘を受けて、そのことについては言いたいことはたくさんあるけど、それは会ったら言う、ということにしておく。だって言葉にするのめんどくさいんだもん。
でもいま言いたいのは、ブラッド・ピットが怖い顔のいい役者になってるな、ってこと。いや、それは前からそうだけど。怖い顔の役者、いいよね。例えば、リー・マービンとかアーネスト・ボーグナインとか。あと『悪魔のいけにえ』のジム・シードウ。つまり、「この人、『本物』だよね? スタッフの言うこととか、ちゃんと聞いたのかな……」と不安になるような役者。
こないだ『スタンド・バイ・ミー』をDVDで観て、20年前にはつまらないと思ったけど、いまは面白いかなと期待したんだよね。でもやっぱりつまらなかった。なんでかって言ったら、キーファー・サザーランドが「本物」じゃないんだよね。不良の「演技」をしてるだけ。『サボテン・ブラザース』の悪党どもだって、やっぱり「本物」の顔をしていた。この人たち、絶対現場に二日酔いで来てるよなぁ……っていう、不穏な感じ。そう考えると、監督っていう人たちはすごいと思う。そんな人たちを何人も相手しないといけないんだから。
絶対ブラッド・ピットは現場で誰か殴ってるね。そう思えるから、『ジェシー・ジェイムズの暗殺』はいい映画だと思うよ。