『小学生日記』

自分が知らないことを素直に「知らない」と言えるのは、なかなか難しい。それはきっと感性の問題だからだと思う。自分の知らないことがこの世界にはたくさんある、ということを、風を頬に受けるみたいに感じられる子にとって、世界はきっとドキドキワクワクさせられるなにかなんだろう。俺はどうだったかな? 家に閉じこもって、「知ってるよ、世界は広いんでしょ」とビクビクしてたのかもなー。
自分よりもたくさんものを知っているに違いないオトナたちの視点を先取りして、ものを知らない自分を恥じたりするのは、実は原理的に不可能なはずなのに、そうやってオトナぶってみたりして、結局、世界の向こうから吹いてくる風を感じられずにいるのは、やっぱり不幸だ。
という「当たり前のこと」を、hanaeという小学生の書いた作文を読んで考えて、そのことをその日のうちに書いておこうと思った31歳の虫博士でした。
で、あとがきに書いてあった本を借りに、西荻図書館に行き、今日の午後は喫茶店で何冊もの児童書をつんで読んだりして、素直にも程があるだろう、俺。